私は妊娠経過を見て頂いている病院の検診前日に右胸のしこりに気付いたため、健診時に相談→同院外科に紹介受診→スクリーニング(触診+超音波検査)の結果、「なるべく早めに詳しい検査をしたほうがいい」とのことで、他院を更に紹介受診することとなりました。
その後は、紹介先のS病院では初日から「一人ですか」「ご家族は一緒じゃないですか」と聞かれまくり、「妊娠12週以降でできる細胞診」と、「12週以降からできるけど、16週以降が安全と言われている組織診」の説明をうけ、子ども最優先なので16週以降一択。細胞診を初診当日に実施し、結果判明したらすぐに病院の紹介等の準備を進めていく、と言う方向性でしたが、意外にも細胞診の結果は「良性もしくは正常、しかし何らかの腫瘍性変化あり」と言う、何とも微妙な結果でした。S病院のS先生曰く、「まぁでも、十中八九、腫瘍だよね。こうなってくると、細胞診を早めた方が良い」との助言を受けまして、ギリギリ16週1日前に組織診をすることにして、組織診の結果が出る日にどこの病院に行くか決めておくよう指示を受けて帰ってきました。
さて、ここから治療をお願いする病院を決めなくてはいけません!S先生からは、「いつも紹介していてカルテも連携しているK病院、妊娠期乳がんでネットでヒットするのはR病院、どちらでも構わないし、他の病院でもどこでも良い」「K病院だと、S先生も行っているのですぐに診察・治療開始が可能、その他だとすべての結果が出てからになるので、2週間くらいはタイムラグが出るけどそのくらいは大丈夫」との情報が。K病院では、年内にも手術が出来そうな雰囲気のようで、これだけの情報から、K病院にしようと思っていました。一応、自分でも病院を調べてみようと思うのですが、ネット検索していても、よくわかりません。それに、色々考えてしまって検索内容が派生しちゃうんでうすよね・・・。調べたいことがちゃんと調べられていない感じで、文字を読んでいくのが面倒になったり。(自分のことなのに)K病院は、義父がお世話になった際、あまり良い印象を持っていなかったのと、遠いので、「ちょっとアレだけど・・・連係してるし、スムーズそうだし、ここがいいよね」といった思いでした。なんか知ってたら教えて欲しいな〜という気持ちで、信頼のおける友人に妊娠期乳がんに強い病院を知らないか質問し、病院決定に至りました。
自分が病気になった時、それを公表する人、しない人、様々だと思います。隠す人が多い印象がありますし、義父も最後の最後まで近い人にしか言っていませんでした。でも、今回の私のように、たまたま情報を知っている人が身近にいるかもしれません。私は元々、全てが終わって、笑い話になってから伝えるつもりでしたが、勇気を持って友人に聞いてみてよかったと思っています。いろんな情報が錯綜しているので、正しいのか正しくないのか、自分で取捨選択して、自分で考えて行動する必要はありますが、信頼のおける友人や家族の情報であれば、一考の余地があるかもしれません。もし、誰にも言わずにいるのなら、ちょっとだけ信頼のおける方に何か情報を持っていないか、聞いてみるのもいいかもしれません。
私の場合、「詳しい検査ができる病院に紹介」の段階で、看護師さんからも医師からも、「なるべく早めに受診してくださいね」と、何度も言われ、この時点で乳がんなんだろうな、と予感しておりました。ネット検索しまくりです。普通の乳がんならまずは全身検索、骨転移等なければ切除と抗がん剤や放射線治療だが、妊婦はMRIやCT等の全身検索ができません。治療よりも「子どもを絶対産む、守る」という気持ちが強く、この時すでに自分のことは諦めていました。治療開始はまだまだ先だろうな、と言う思いと、うまく出産・治療できたとしても、抗がん剤投与中にぽっくり逝く事もあるという情報をネットで見つけ、私のことは諦められても、「子どもを遺していくかもしれない」と言うことに思い至り、どうしようもなく悲しくなり、車の中で泣き喚きました。(まだ確定してないのにw エンディングノート準備しました。)
乳がんの疑いをを持って情報収集のためにこちらのページに来られた方、大丈夫です!!妊娠中でも時期によっては、できる乳がん治療があります!!
「患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版」では、妊娠期乳がんの方への質問にも丁寧に答えてくれています。
こちらでは、「妊娠の継続や出産・授乳が,がんの進行や再発に影響を与えることはありません。しかし,検査や治療は胎児に影響を及ぼすことがあり,特に妊娠前期での治療は,流産する危険や胎児に異常や奇形を起こす危険が上がるとされています。したがって,検査や治療は,胎児と母体のそれぞれの危険性と利益を考えながら慎重に行う必要があります。(https://jbcs.xsrv.jp/guidline/p2019/guidline/g9/q62/より原文)とのこと。
詳しくはHPを見ていただければ良いのですが、「妊娠週数によってできる検査や治療が異なる」と言うことで、すべての治療が行えないわけではありません。手術ができるのが妊娠28週までとしていたり、31週までとしていたりと色んな情報・病院があるようですが、大学病院等だと、手術の待機時間も必ずありますし、初診まで時間がかかる場合もあります。受診が遅れて治療が遅れれば、癌の成長につながりかねません。なので、発見と治療開始、治療病院の決定は「早いに越したことはない」と、私は考えます。
妊婦のうちはホルモンの影響等で乳房が張り、乳がんのしこりに気づきにくく、気付いたとしても妊娠による変化かと思い、発見が遅れることで予後不良になるケースがあるようです。早期発見できれば、治療できます。妊娠前も、妊娠中も、今「子どもが欲しい」と思っていなくても、あなたの将来は間違いなく明るいので、ぜひ、定期的な検診と、乳房のセルフチェックで早期発見できるようにしてください。公的には40歳から乳がん健診が始まりますが、月経開始が早かった方などは罹りやすいとの情報もあるので、早め早めからチェックをするのが良いと思います。
また、発見が妊娠前期であれば妊娠継続するかどうかについても検討する必要性が出てくるようですが、これは個人の考え方にもよりますし、癌のステージにもよるので、なんとも言えないんじゃないかと私は思っています。私個人としては、39歳の今を逃してこれから数年治療と考えると、この期を逃すともう受胎は望めないだろうと思ったので、迷う余地なんて何も無かったです。ただ、今見てくださっている方のバイアスにはなりたくないので、継続するのもしないのも、個人と家族の考え、病期の状態等々で個々人の意思とそれに伴う決定が尊重されるべきだと思っています。私の場合、①39歳で出産したけど子どもが1歳になる前にいなくなってしまう母親になってしまう恐れ(これは後で先生に「それは無い」と言われました) ②産後の疲労に加え、産後2週頃から治療に通うことによる心身の疲弊、それらに伴うまだ小さい乳飲子の世話を十分できない恐れ ③予後不明な面が強く、多感な時期の小学生中学年の頃にいなくなってしまう恐れ ④再発による医療費増大やそれに伴う生活苦に陥る恐れなどなど、ちょっと考えただけでも様々なことが考えられます。で、も、できることをやって、準備していけばいい!!と、思っています。我が子に会いたいから。我が子と共に楽しい時を過ごしたいから。なんでここまで子どもが欲しいのか、自分でもよくわかりませんが、今このお腹に来てくれた我が子が愛しくて仕方ないのです。生きて行くことは、嫌なことも沢山あって、生まれてきても、いつも楽しく過ごせるわけではないけれど、私はこの子に会いたいので、頑張ろうと決めました。
今、こちらを見てくださっている方はどのような状況でしょうか。病院を決める頃でしょうか。告知されたばかりでしょうか。不安は尽きないかもしれませんが、「乗り越えられない試練はない」と思っています。ゲッターズ飯田さん曰く、「大きな運が来る手前が一番くじけたりくさりやすく挫折しやすい。現状が辛いならあと一歩かもしれないことを忘れぬように」「何とかなる、何とかするの精神が大切」だそうです。(ご本人は病気の方にむけているワケではないと思いますがw)生きているものはいずれ死にますので、それが早いか遅いかの違いです。どうせこの大変な世の中を生きて行くならば、是非とも、楽しく生きていきましょう!!未来は明るい。楽しみで満ち溢れています!!
さて、そんな感じで私の病院決定までを軽くお伝えしましたが、年間300人と言われている妊娠期乳がんの方で周りの人に特に情報がもらえない方も中にはいらっしゃるかと思います。そんな時は
①主治医の先生の紹介実績に基づく病院の紹介を元に検討する
②病院のネット情報を検索しまくる
③実際の患者さんのブログや病院の口コミを見る
などなどの方法があると思います。そのネット情報の中に、こちらの病院情報局(https://hospia.jp/dpc)と言うサイトでは、病院の手術件数についての検索ができます。以前、テレビで放送されたり、経済評論家の勝間和代さんも絶賛されていたようなので、ご存知の方も多いかもしれません。2022年現在では、最新のものが2020年になってしまいますが、どこの病院が自分が行う予定の手術に慣れているのか、と言うのがわかりやすいのではないかと思います。情報が少し前と言っても、医師の移動等で手術件数は変わり、移動したてでは病院の体制が整っていない可能性もあるので、ちょうど良いくらいなのではないかとも思います。(※私はこちらのサイトは選定に使用していません。あくまで、良いサイトがあるようなので、現状の把握には役立つのでは無いかな、と思ってのご紹介です。)都道府県別にも検索可能ですので、お住まいの地域に設定して検索すれば、ご自身で治療する場所を選ぶ際の参考になるかもしれません。参考までに、下に簡単な検索方法の画像を載せておきますね。また、妊娠期乳がんの方の場合、「がんセンター」等では産科がない場合があります。その他にも、産科がない病院もあると思いますので、こちらのサイトを参考になさる場合には、
①手術件数の多い病院(手術に慣れている≒病気の治療にも慣れている)を調べる
②気になる病院のHPなどで産科があるか調べる
同時に、自身の妊娠経過を見ていただいている産院や出産予定の病院で、妊娠期乳がんの妊産婦も
診れるか・出産を受け入れているかを確認する
(私の場合は不可能とのことで、県外の病院で治療も出産もお願いすることになりました)
③病院までの道のりや交通費を調べて通えるか検討する(Googleマップが便利だと思います)
④主治医と相談して病院決定する(私の場合は手術件数はまだ少ない病院でしたので、乳腺外科の
先生に懸念事項を聞くことができました。)
※よっぽど若くてまだ症例を見たことがない先生以外、大抵はどこの病院で扱っているとか、
体制が整っているかとか、何らかの情報はお持ちになっていると思います。
⑤家族と相談して病院決定、乳腺外科と産科の初診予約、相手への紹介状作成依頼をする
このような流れだと病院を決めやすく、自分で調べて考えて、納得して治療に臨めるのではないでしょうか。色んな情報が溢れ、情報を精査していくことが大切だけど難しい世の中、「手術件数」と言う客観的な数値が眼に見えるサイトはとても有用だと思いますので、よければ検索してみてください^ー^手術や治療は、ある意味「専門家にお任せ」ですが、自分の身体の事は自分で考えて意思決定することがとても大切だと思います。自分で考えて決めた方が、治療にも前向きになれるし、頑張れると思うんです。情報を必要としている方が、より良い治療と楽しい暮らしが送れますように。
今回は、がん治療病院決定の際やに少しでも参考になればと、私の場合と参考にできそうなHPのご紹介でした。どこかで情報を探しているあなたの役に立ちますように。
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